【イギリス】世界遺産ロンドン塔を見逃さないで!観光するならココをチェック!
ロンドナーがおすすめする観光スポットはどこか?と聞くと「ロンドン塔(Tower of London)」が挙げられます。なぜなら、ロンドンの歴史がギュギュッと詰まった場所だからです。
ロンドン塔は、1000年の歴史を誇る要塞であり、時代の流れとともに要塞から王宮や牢獄、財宝保管所、動物園、造幣局と役割を変えてきました。複雑な歴史を感じることができるロンドン塔のおすすめポイントをまとめてみました!
ロンドン塔(Tower of London)とは
1066年にイングランドを征服したウィリアム1世が1078年にロンドンを外敵から守るために堅固な要塞の建設を命じ、約20年で完成しました。その後、リチャード1世が城壁の周囲の濠の建設を始め、ヘンリー3世の治世の時に完成しました。
長い歴史の中で、ロンドン塔は役割を変えてきました。1625年までは国王が居住する宮殿として使われ、14〜19世紀にかけては造幣所、天文台でもあり、1640年までは銀行、13世紀から1834年までは、王立動物園でもありました。その名残を建物のあちこちで感じることができます。
なお、ロンドン塔に最後に居住した王はジェームズ1世とされています。
営業時間
夏期(3月〜10月)
火〜土:09:00-17:30
日・月:10:00-17:30
冬期(11月〜2月)
火〜土:09:00-16:30
日・月:10:00-16:30
※入場は閉館30分前まで
※詳細はこちらをチェックしてください。
入場料
大人:£26.80 ※16歳以上
子供:£12.70 ※5〜15歳
※学生、高齢者(60歳以上)は£17.70
※団体・家族割引あり
※オンライン購入割引あり
※寄付をする場合はwith donationの金額を参照
詳細はこちらから確認してください。
場所・行き方(地図)
住所:St Katharine’s & Wapping, London EC3N 4AB
Tower Hill駅を出て徒歩数分
ロンドン塔の見どころを紹介!
全体像はこんな感じです。ご覧の通り、結構広いです。
photo by en.wikipedia.org
所要時間は人によりますが、全体をざっと観るだけであれば2時間程度かもしれません。
ある程度しっかり観ようと思えば3時間以上かかると思います。
ホワイト・タワー(The White Tower)
王宮。王族の鎧や武器の博物館。
ホワイト・タワーはロンドン塔の中で最初に建てられたもので、敷地の真ん中に位置する天守閣となっています。大きさは縦32メートル、横36メートルで、高さは27メートルあり、白い石でできていることから「ホワイト・タワー」と呼ばれるようになりました。
現在は、王族の鎧や武器が展示されています。
この武器のコレクションには、中世の狩猟やスポーツ用武器など様々な器具があり、その迫力に圧倒されることでしょう。
また、ホワイトタワーでは1080年に建てられたノーマン教会である聖ヨハネ礼拝堂を観ることができます。
ジュエル・ハウス(The Jewel House)
王家の宝飾品が観れるハウス。エリザベス女王の王冠もあり!
絶対に見逃してはいけないのがここ「the Crown Jewels」で、イギリス王室が保有する宝石類を間近で見ることができます。
特に注目すべきはエリザベス女王の王冠で、この王冠にあしらわれた巨大な宝石は世界一大きなダイヤモンドの1つなのです。
photo by express.co.uk
1905年頃に、世界最大3,106ctのダイヤモンド原石が発見され「カリナン」と名付けられました。これは英国国王・エドワードⅦ世が所有することとなり、その原石は世界一のカット職人の手によって巨大ダイヤモンド9個と小さなダイヤモンド96個にカットされ、1番大きな「カリナンI世」を王笏に、2番目に大きな「カリナンII世」を王冠に飾りました。
若干27歳で王位継承をしたエリザベス女王も「カリナン」の王笏を手に持ち、王冠をあしらって戴冠式に登場しています。
御目に掛かるのも烏滸がましい気がしてしまいますが(笑)誰でも見学することができます!(本当に幸せな時代ですね。)ぜひお見逃しなく!
ブラッディ・タワー(The Bloody Tower)
身分の高い人を幽閉していた塔、血みどろの陰謀話が…。
ブラッディ・タワーは南の城壁部分にあり、テムズ川に面しています。恐ろしい名前のタワーですが身分が高い人が幽閉された場所で、ヘンリー3世が治世した1220年代初期に建設されました。
このタワーはもともとガーデンタワー(the garden tower)と呼ばれていましたが、多くの人々が収容され投獄したり死亡したり…と様々な歴史を経て、ブラッディタワーと呼ばれるようになります。この名前が付けられた由来となる最も有名な事件としては、12歳のエドワード5世とリチャードの幼い兄弟が殺害された奇妙な事件が挙げられます。
この兄弟は、20年以上イングランド王国の王朝を担ってきたヨーク派の王子でしたが、1483年にグロスター公の叔父が王位継承者となった時にロンドンの塔に閉じ込められ、その後 謎の失踪を遂げました。一説では、夏頃に叔父に暗殺されたといわれています。
そして、失踪から約200年弱が過ぎた1674年ホワイトタワーに続く階段が取り壊された時に、彼らの骨と思われるものが発見されました。
このブラッディタワーは2人の王子の幽霊に取り憑かれているといわれています。このタワーのそばを通った警備員が白い服を着た小さな人影が階段を滑り落ちるのを見た…と言っているようです…
タワー・グリーン(Tower Green)
中央の緑の広場、身分の高い人々の処刑場だった所。
タワーグリーンは、王族や貴族など身分の高い人が処刑される場所でした。群衆から遠ざけられた場所で処刑されることは尊厳が保たれる特権とされたので、ロンドン塔の中で執り行われたのです。
タワーグリーンやその周辺で処刑された人の中で特によく知られているのは、ヘンリー8世の2人の王妃です。
1人目は2番目の王妃、アン・ブーリンです。アンはわずか3年の結婚後、国王暗殺の容疑、および不義密通を行ったとして、反逆罪に問われ死刑判決を受けました。しかし、彼女は冤罪だったのではないかと考えられており、ロンドン塔で断首され首だけになった後も、明らかに何かを話そうとしていたという逸話があります。
彼女はロンドン塔の聖ピーター・アド・ヴィンキュラ礼拝堂(the Chapel Royal of St Peter ad Vincula)に埋葬されています。
photo by bbc.co.uk
もう1人は5番目の王妃、キャサリン・ハワードです。彼女は若い王妃でヘンリー8世とは年が離れており可愛がられていましたが、姦通を疑われてしまいました。本人は姦通を否定しましたが聞き入れられず、事実は曖昧なまま処刑されました。
この追悼を意味する記念碑の近くで、アンブーリンとトーマスモアなど斬首されました。中央の彫刻は枕を表しているようです。(おそらく頭が落ちた場所を表しているのでしょう。)
反逆者の門(Traitor’s Gate)
牢獄に送られる人々が通る門。一度入ったら2度と出られない。
反逆者の門は、チューダー派の多くの囚人がロンドン塔に到着した際の入り口となったところです。 囚人はロンドン橋の下を通り、テムズ川に沿ってはしけぶねによって運ばれ、この門を通ってロンドン塔に収容されました。ちなみに、ロンドン橋では処刑された囚人の頭が見せしめられていたそうです。
『ユートピア』の著述で知られるトーマス・モアもこの反逆者の門を通り、処刑され、ロンドン橋に晒されました。
中世の宮殿(The Medieval Palace)
中世の宮殿として王が過ごしていた場所。刑務所の拷問器具も。
ロンドン塔にあるセントトーマスタワー、ウェイクフィールドタワー、ランソーンタワーは「中世の宮殿」として知られています。この建物はヘンリー3世と息子エドワード1世によって建てられたました。
ウェイクフィールド・タワー(TheWakefield Tower)
地下で拷問が行われた場所。拷問器具が展示されていて不気味。
ウィークフィールドタワーは、王のアパートでした。この塔はモルタルという石でできており、直径約15mで、2階建てです。
王が使用していたプライベートチャペルも見学できます。
地下室は拷問器具が展示
そして…地下室は刑務所だったので、拷問器具が展示されています。薄暗いお部屋で入った瞬間から少し気分が落ち込みました。どうやって使うのだろうか…と疑問に思ってしまうような器具が数点展示されています。
詳しい拷問の方法が公式サイト(英語)に載っていますので興味のある方は覗いてみてください。
なお、お隣のランソーンタワーは、ヘンリー3世の治世に作られた王妃のためのアパートだそうです。
セントトーマスタワー(St.Thomas Tower)
過去の王の寝室が再現されているタワー
エドワード1世の治世では、セントトーマスタワーに住むようになりました。現在、13世紀にエドワード1世が生活していた寝室の様子が再現されています。
タイムスリップしたような気分になれますね。王はこのお部屋からテムズ川を眺め、囚人が反逆者の門から塔に入る見ていたそうです。
ビーチャム・タワー(Beauchamp Tower)
投獄されていた囚人たちが残した文字や図柄が観られる
なんとも複雑な気持ちになるのが、ビーチャムタワーです。このタワーはエドワード1世の時に建設され、囚人を収容するために使用されてきました。塔の囚人の多くは、独房で長時間過ごすことになり、死刑に処せられる人もいました。 かなりの心理的緊張の下で、多くの囚人がうつ病などに苦しんだそうです。
収容された囚人の中には感情を表現する方法をとして、塔の壁に落書きを彫ることで死後も忘れられないようにしました。 多くの彫刻「グラフィティ」は、ここで過ごした囚人の物語や信念を現在生きる私たちが目にすることができる貴重な場所でもあります。
ヨーマン・ウォーダーズ(The Yeomen Warders)
ロンドン塔を守る退役軍人です。濃紺と赤のビクトリア朝の制服が目印!
photo by www.hrp.org.uk
ヨーマン・ウォーダーズ (The Yeomen Warders)はロンドン塔の衛兵隊で、濃紺と赤のビクトリア朝の制服を着ています。彼らは国王主催のパーティーの後、残った牛肉の持ち帰りを許されたことから、BEEF+EATER(牛肉を食べる人)という意味の”ビーフィーター (Beefeater)“の通称でも呼ばれています。
ロンドン塔の看守を行なっており、ロンドン塔が観光名所となった現在では名誉職として主に観光ガイドなどの仕事をしています。
紹介ツアー
予約不要なので希望すれば参加できます。
このヨーマンウォーダーは毎日ロンドン塔の歴史を紹介する観光ツアーを実施してくれています!ロ10時(日・月曜のみ10:30)から30分おきに、ロンドン塔の正面玄関からツアーが始まります。
基本的には英語なので、言語に自信がない方はオーディオガイドがオススメです。
鍵の儀式(Ceremony of the Keys)
予約必須の伝統的なセレモニーです。ただし超絶人気なので予約は難しいかも!
ヨーマンウォーダーズがロンドン塔のゲートの鍵を閉めて回るという”鍵の儀式”を時間(とチケットが予約できれば)ぜひ観てみてください!
この儀式はなんと14世紀から約700年も行われており世界で最も古い軍事的な儀式と言われています。ロンドン塔の儀式の中でも最も有名なものになります。
The Chief Warder(チーフ)が21:53(午後9時53分)からロンドン塔のゲートの鍵を閉めて廻り、全ての鍵を閉めた終えるとトランペットが閉めのファンファーレの演奏で儀式が終わります。
儀式に参加する方法
実施日 :ほぼ毎日(スケジュール)
実施時間 :21:30-22:05
予約方法・料金:
無料(※予約には1£必要)で見学できますが予約が必須です。チケットは公式サイトから希望の日付を選んで予約することができます。
※しかしながら、こちらのチケット超絶人気で..6ヶ月ごとにチケットがリリースされるようですが、すぐに完売してしまう傾向にあるようです。キャンセルが発生した場合は、そのチケットは再販されます。(滅多にないようですが、何日かチェックしていると奇跡的に空きが出ることがあります。)
ワタリガラス(Raven)
飼育された巨大カラスは塔を守る存在
ロンドン塔にいるカラスは世界最大級の大きさのワタリガラスで、ロンドン塔を守ってくれる存在です。日本でカラスと言えば..言わずもがなですが、ロンドン塔のワタリガラスは「レイヴンマスター」と呼ばれる役職の王国衛士によって大切に飼われています。
それは「6匹のカラスがいなくなると、ロンドン塔が崩れ、ロンドン塔を失った英国が滅びる」という言い伝えがあるためで、野生のワタリガラスの多くは捕獲されてしまったのですが、チャールズ2世の頃からロンドン塔で大切に保護されているのです。
現在のロンドン塔では(6羽に念のため1羽を足した)計7羽が飼育されています。なんとこの7羽には一羽一羽お名前が付いております。 Jubilee, Harris, Gripp, Rocky, Erin, Poppy and Merlinaだそうです。カラスが賢い鳥であることは日本でも知られていますが、ロンドン塔のカラスは音を真似るなどそれぞれ驚くべき特技を持っているそうです。
なお、ワタリガラスに会えた時はラッキーですが、自分の縄張りを侵されたと感じた時は攻撃することがあるそうなので近づき過ぎないようにしてくださいね!
また、ロンドン塔は動物園だったことがあるので、ライオンや象など当時を再現している像がいくつか置いてあります。
また、13世紀の初め頃、ジョン王はロンドン塔内でライオンを飼っていました。その後、ヘンリー3世がヨーロッパの君主たちからライオン3頭、白クマとゾウ1頭ずつを贈られ、動物園となりました。そのライオン3頭は現在もサッカーとクリケットのイングランド代表のバッジのデザインに使われています。
まとめ
今回紹介したところは見逃し厳禁なのですが、他にも時間があれば大聖堂やタワー、展示物など見てみて下さい!他にもMint Streetでは銀行の名残を表すコインの展示などが行われています。時間に余裕があれば、時間をたっぷりとって塔全体を見学してくださいね!
2018年には、ロンドン塔のイルミネーションをしたようです。今年も素敵なライトアップが観れるといいですね。
ロンドンは観光スポットがたくさんあるので観光する場所を迷ってしまいますが、ロンドン塔は外せないスポットだということは間違いありません。一年を通して見学することができますので、ぜひ足を運んでみてください。
なお、ロンドン塔の中でもお土産を買うことができます。カフェなどの休憩スポットはありませんので、塔の見学の前後で食事の時間をとってみてくださいね!
それでは、良い旅になりますように…♡