イギリスのスーパーマーケット攻略10選・完全版!
ロンドンに来て、はじめに困ったのが「スーパーマーケット選び」でした。日本にいると、なんとなくどこに行けばいいか・安いか・品揃えがいいかということが感覚的にわかるものなのですが、ロンドンにいるとよく分からず困りました。
イギリスには巨大スーパーマーケットチェーンがいくつかあり、さらに階級社会だからスーパーにもランクがあるんだよ!なんて話を聞きましたが、明確にどのようなものかが分かりませんでした。それを紐解いてくれるのが劇作家Alan BennettのTVドラマ「Talking Heads」の台詞の中に隠されています。(台詞の詳細は記事内で紹介!)
移民である私たちに見えない「内部のイギリス人から見たランキング」について言及していきたいと思います。ただし現在は移民も多いので、必ずしも階級ごとに区切ってスーパーマーケットを利用するというわけではないようです。
それでは、紹介しましょう!
イギリスのスーパーマーケット・ベスト10
イギリスにおける人気スーパーマーケットを順に紹介していきます。
1. Waitrose(ウェイトローズ)
イギリス王室御用達の最高級ランクのスーパーマーケット
ウェイトローズは、イギリスで最も高価なスーパーマーケットで、王室御用達として認められており一番ランクが高いです。イギリスの最高級スーパーとして、エリザベス女王やチャールズ皇太子に食料品、ワインなどを提供しています。
商品は品質が良く、新鮮な野菜やお肉、オーガニック商品が売られています。また、ウェイトローズの自社ブランドの商品も多いので、品揃えが良いです。
ウェイトローズは、カスタマーサービスで評価されている小売業のJohn Lewisグループでもあります。イギリス全体で352の支店を持っており、30の「リトルウェイトローズ(little Waitrose)」なる小さなコンビニエンスストアもあります。
自社ブランドの商品も展開しており、58カ国に製品を輸出し、中東にも店舗があります。
また、ウェイトローズでは、会員になると様々な特典があります!自分がよく買う商品を割引したり、通常£2.5ほどのコーヒーやラテを無料で飲むことができます。私もヘビーユーザーです。
会員になるためには申込が必要なので、店員さんに申し出るか、ネットで申し込んでくださいね。会員になると、「myWaitrose」カードなる小さなカードがもらえますので、それをお買い物時に持参すればOKです!
公式サイト:https://www.waitrose.com
2. Marks & Spencer(マークス&スペンサー)
プライベートブランドが中心のおしゃれで高級なスーパーマーケット
マークス&スペンサー(Marks & Spencer/M&S)は、高級スーパーマーケットです。綺麗でおしゃれな雰囲気があるので人気です。
M&Sはプライベートブランドの商品がほとんどで、食料品の他、衣料品・靴・ギフト商品・家庭用雑貨などを販売するイギリスの小売事業者です。イギリス国内に942店の店舗(253店舗とSimply Food storesが383店舗)を持っています。
ヨーロッパ、アジア、中東などにも店舗を構えて世界中に自社ブランド製品を輸出しており、フランチャイズ契約にも力を入れてブランド力を強めています。
ロンドン市内ではあらゆる場所にあり、オクスフォードストリートにはドカンと巨大な店舗を構えています。ロンドンのオフィス街にもあり、サンドイッチ、サラダ、寿司&ラップなどの商品を揃えていて、小さなブランチに適した「M&S Simply Food」も人気ですよ!
また、富士通のシステムである「ICタグを取り入れた商品管理」を行いました。売れ行きの良い品物を把握し、顧客満足度をアップさせるマーケティングに力を入れています。
3. Sainsbury’s(セインズベリー)
歴史が古く、変わらないシェアをキープできる底力がある!
セインズベリー社は、ロンドンの中心にも郊外にもどちらにも店舗を展開している巨大チェーンで、品揃えや質という点ではテスコとほぼ同等です。ただし、Sainsbury’sはJohn James Sainsburyが1869年に設立しているため歴史があります。1922年に最大の食料品小売業となり、現在のマーケットシェアはテスコに次いで第2位です。
もともと、Sainsbury’sは新鮮な食料品の小売業として「品質は完璧で、他よりも価格が低い!」という謳い文句で商売を始めました。幅広い商品を扱うと共に、店の内装では大理石のカウンターやモザイクタイルの床、白い壁などのスーパーにしては珍しい画期的なデザインで高級感を出し、人気を得ることできました。
現在の持株会社であるJ Sainsbury plcは、スーパーマーケットのほか、銀行業や、カタログ式電化製品販売店の「Argos」も運営しています。また、「Sainsbury’s Local」というコンビニエンスストアを出しており、Tesco Expressよりは少し大きめで、値段は少し高めです。
パラリンピックの公式スポンサーとなるなどスポーツの分野にも幅を広げるとともに、店舗拡大を進めている勢いのあるスーパーマーケットの一つです。
4. The Co-operative Food(コープ)
店舗数が一番多く正統派な消費者協同組合ブランド
これまでCo-operative Foodとして取引していたCo-op Foodは、英国の消費者協同組合の食品小売業向けに考案されたブランドです。世界最大の消費者協同組合ブランドの1つで、イギリスで最も店舗数が多く4000以上あり、従業員は7万人以上います。
2016年に、Co-opは英国の食料品マーケットの約6.6%を占め、2016年の小売業賞で「今年のコンビニエンスストア小売業」賞を受賞しています。Cooperative Retail Groupは2017年に1,500の新規雇用を創出し、100の新規店舗をオープンする予定で、今後も個人販売向けのマーケットでも力を伸ばしていくでしょう。
Co-opは、英国で最も正統派なスーパーマーケットチェーンで、Sainsbury’sやTescoとほとんど同じ価格帯ですが、店舗は小さいところが多いです。
コンビニエンスよりも少し大きめなお店で品揃えが良く、(個人的には)生活する上で必要なものがしっかり揃っているイメージです。
5. Tesco(テスコ)
英国最大シェア!安くて便利ですぐに見つかる!
テスコ (Tesco) は売上高が最も高いイギリス最大のスーパーマーケットチェーンです。スーパーマーケットの他には金融、電気通信、ガソリンスタンド、通信販売などにも手を広げています。
5大世界流通大手の一つで、イギリスのみならず十数カ国でTesco Metroという衣食住の総合マーケット、スーパーマーケット、コンビニエンスストアとしてTesco Expressなどを展開しています。以前は日本にも店舗がありましたが、現在は撤退しています。
イギリス最大店舗となったのは、その安さ・便利さ(店舗数の多さ・立地)にあります。特に数の多いコンビニエンスストアはロンドン中心部も含めどこにでもあり、外を歩けば1日必ず1つは店目にするくらいあらゆる場所に出店されています。一方、デリバリーサービスもやっており月額契約をすることで安く商品を購入でき、直接お家に配達してもらうこともできます。
スローガンは「Every little helps」となっていますが、価格・立地共に常に満足させてくれる便利なスーパーマーケットです。
公式サイト:https://www.tesco.com
6.ASDA(アズダ)
最も安いスーパーに選ばれた実力派!顧客サービスも◎
Asdaは英国のスーパーマーケット小売業者であり、マーケットシェアはテスコとセインズベリーに次ぐ3位です。主要なスーパーマーケット小売業に加えて、金融事業や携帯電話事業、不動産業など幅広い分野を手掛けています。
また、ASDAはアメリカ最大のスーパーマーケットチェーンのWalmartの子会社であり”Save Money. Live Better” というスローガンを掲げています。スローガンからも分かるように価格は比較的手頃で、不当に上げない安心価格を売りにしているため人気となっています。
2016年には、消費者団体によって主要イギリスの食料品店の中で最も価格が安いスーパーマーケットに選ばれました。(参考:https://www.mirror.co.uk)
公式サイト:https://www.asda.com
7.Morrisons(モリソンズ)
マーケットシェア第4位!安くてサービスも改良し続ける!
モリソンズは、イギリスに本社を置く、マーケットシェアが第4位のスーパーマーケットチェーンです。店頭販売・オンラインの双方で売上をあげています。
ペット用品からホーム用品まで幅広く商品を扱っており、ロンドン市内にも店舗はありますが中心地からは少し外れた場所にあるものが多いです。店舗数は全てで500以上あります。
2016年にはASDAに続いて2番目に商品が安いスーパーマーケットと評価されました。顧客満足度については酷評を受けたことがありますが、2018年度の調査では第5位にランクインしています。(参考:https://www.statista.com)
8.Iceland Foods(アイスランド)
冷凍食品の品揃え抜群!オンラインサービスもGOOD!
アイスランドは、加工食品や野菜の冷凍食品の販売に力を入れている、イギリスのスーパーマーケットチェーンです。 もちろん冷凍食品以外の肉製品や酪農製品、乾燥製品も販売しています。マーケットのシェアは約2%で今回紹介したスーパーマーケットの中で一番低いです。
しかし、創業は1970年で比較的新しいブランドにもかかわらず、ロンドン市内も含めてイギリス国内に800点以上の店舗を出しています。冷凍食品という分野では有名であり、スタッフがフレンドリーだという印象があります。
また、オンラインサービス部門では、2017年に最も高い評価を受けました。
9.ALDI(アルディ)
ディスカウント商品が魅力的で、顧客満足度が高い!
ALDIは、ディスカウント食品の販売で人気となったスーパーマーケットです。ドイツに基盤を置くチェーン企業で、ALDIとは “ALbrecht DIscount”の略で名前にもディスカウント(割引)が含まれています。
顧客満足度が高くウェイトローズやM&Sに次いで3位の評価を受けています。毎年売上を伸ばしており、1990年にイギリスに進出してから国内での成長は右肩上がりです。ベビー用品からフィットネス関連のグッズまで幅広い商品をカバーしています。そして、何と言っても割引された商品はかなり安いので、オススメです。
残念ながらこのスーパーマーケットはロンドンの中心部にはほどんど店舗があまりありません。オンラインショッピングをやっているようですので、一度覗いてみると良いかもしれません。
公式サイト:https://www.aldi.co.uk
10. LiDL(リドル)
ディスカウントを得意とする価格が安いスーパー
リドル (Lidl) は英国で最も安いスーパーマーケットの一つで、世界中に約8000店舗を展開するドイツのディスカウント・スーパーマーケットチェーンです。創業した1973年から現在までの間で、ヨーロッパの20カ国以上に展開されており、イギリスに進出したのは1994年です。ALDIがイギリスに進出したすぐ後に参入しましたが、同じような形態(ディスカウント)で力を強めています。
顧客満足度もAldiと同率で非常に高く、コスパが良いお買い物ができるマーケットになっています。勢いは止まらず、2016年にはマーケットシェアがwaitroseを抜いて7位となりました。
ロンドンの中心部ではあまり見かけませんが、イギリス国内で670ほどの店舗があります。
公式サイト:https://www.lidl.co.uk/
イギリス人から見たスーパーマーケットの階級とは?
イギリスの劇作家アラン・ベネット作品に「トーキング・ヘッズ」というドラマがあります。このドラマのテーマは、死、病気、罪悪感などを含めた様々な題を扱っており、アメリカでも放映され数々の賞を受賞した作品です。
その中の台詞で高齢の女性が述べた言葉が、以前のイギリス人の階級に対する考え方とスーパーマーケットブランドとの結びつきをよく表しています。
そして、LidlはそもそもChiantishireなんて地名を聞いたこともないような人が行くところ。最後に、Marks & SpencerはLidlなんて聞いたことがない(安い物とは無縁の)人たちが行くところよ。そんな感じ。」
これを読んだだけでもWaitrose/Marks & Spencer‥Sainsbury’s/Tesco‥ASDA/Lidlみたいなスーパーマーケットにおける階級の感覚を持ち合わせているイギリス人がいるということがわかりますね。もちろん劇場での言葉なので少し大げさに言われているかもしれませんが。
イギリス人にとっては「安くて新鮮ならOK!」という単純な感覚とは違う、この階級ならこうすべきだ…みたいなものがあるのです。
もちろん全てのイギリス人がそういったことを思っていないかもしれないし、本当のところは本人たちにしか分かりませんが「lord」とか「lady」とかそういったことが未だにしっかり区別されている国なのでそういう観点もあるんだなということは知っておいてもいいかもしれませんね。
スーパーを選ぶ上での秘訣!
スーパーにもそれぞれ特徴があり、品質が良い、商品が安い、割引商品が多いなど(階級を気にしない私たちは)それぞれのニーズに合わせて選んでもらえればと思います。
また、今回のランキングに関しては、一番高いところが優れている・低いところは悪いというものではありません。それぞれのマーケットの特徴は文章から読み取ってもらえればと思います。
また、それぞれの商品の価格を比較してみると、正直「高級スーパーは他と比べて商品が高いわけではない!」です。比較的高い・安いという話でしかないので、お菓子カテゴリをとっても、ある商品はWaitroseの方が安い、ある商品はTescoの方が安いという風に様々です。
一応「各カテゴリーごとにどのスーパーマーケットが安いか」を比較した記事がありましたので参考記事をご覧ください。これを見ると高級スーパーと言われているWaitroseですが、ベビー用品や美容品などは他のスーパーマーケットより安いようです!
私のオススメとしては、生活に慣れるまでは平均的なTescoくらいまでのスーパーマーケットでお買い物をして、それぞれの商品の相場をある程度理解できたら「明らかに価格が高い設定になっているものは買うのをやめる」くらいでいいのではないかと思います。
さすがにカテゴリーごとに買うお店を買うのは少し面倒なのでね。
商品が悪くなっていないかは確認必須!
商品はどこで買ってもいいのでは?と書きましたが、野菜やお肉などのナマモノに関してはある程度品質が良いものを選んだほうがいいと思います。
私は主に利用するのは、「お肉・野菜」は品質を重視してWaitroseで購入し、ドーナツ(笑)はTescoで購入し、そのほか加工されたお菓子などはこだわらずどこでも買います。
ただし、いくら高級なスーパーでも平気で腐敗したものを売っていることがありますので注意してください。
日本よりも品質管理が緩いのではないか!と思ってしまうくらいNGなものが混じっています。
・酸化しているもの
・腐敗しているもの
・カビが生えているもの
・野菜の鮮度が低い(しなっている)もの
これらは確認ポイントとして頭に入れておいてほしいです。また、そういったものを買ってしまったら運が悪かったなーと思ってください。笑
悲しい私の体験談は以下を読んでみてください・・・。
まとめ
イギリスのスーパーマーケットをまとめました。それぞれ良いポイントは違うスーパーマーケットです。自分のお家との距離も含めてお気に入りのスーパーを見つけてくださいね!また、オンラインショップを利用した方が安いという意見もありますので、自分にあったショッピング方法を見つけてくださいね!
今回は書き溜めておいたものを公開しましたが、またなにか気付いたら追記します!それでは。