身の程をしらない女のロンドン美容院体験。
ロンドンに来て超絶久しぶりに美容院に行く。
実はたみこさん、ロンドンの美容院が苦手で、もう伸ばし放題、カラー抜け放題で、黄色の髪の毛に顔が埋まりそうだ。
なぜこんなに、間が空いてしまったのかというと、ずばり「トラウマ」が原因である。
前回、オシャレなロンドナー(ロンドンピーポー)がこぞって集まるような流行りの美容院に行って、恐怖を味わったのだよ。
自分が虚しいピグモンだということに気付かされたエピソードを聞いてくれよ。
その美容院は、入ってすぐのエントランス部分にすでにキラキラ輝くロンドナーが10人ほどいた。
その時点で中に入るのをやめようかと躊躇したけど、店員さんとドア越しに目が合い手招き(カモンジェスチャー)をされてしまったので、美容院へgo inすることに。。
ロンドナーに囲まれた時、日本のリア充に囲まれるのとはまた違う感情にさいなまれた。
日本のリア充を見たときは、あーオシャレだなー、あーかわいいなーという、なんとも微笑ましい気持ち(とあと半分は羨ましさかな笑)になるんだけど、
あのロンドン美容院に入った時は、ただただ..
かっこよすぎるよ、ロンドナー。
羨ましささえも感じないよ。
なぜこんなにも髪のキューティクルが輝いているんだ。
金色の髪の毛が、黄金のように光っている。
そして、みんな顔が・・小さ過ぎないかい?
みんな同じ人間。ウィーアーザワールド。
いや。ウィーアーザアナザーワールド。
たぶん、祖先が違いすぎる。別の生き物ということにした方が気持ちが楽だから、そうする。
ウィーアーザアナザーワールドの方が猛烈な劣等感を感じず、幸せな響きに聞こえるレベル。
すこし待つとすぐに美容師さんが近寄って来てくれた。
私を担当してくれた美容師さんは優しくて、私の拙い英語でもちゃんと要望を聞いてくれた。
とりあえず、ハイライト、ダーク、ボトム..と知ってる言葉を駆使しながら、どの部分を何色にするかまで細かくコンサルティングしてもらった。
で、いよいよ施術か!と思いきや。
美容師さん「いつ予約しますか?」
・・・え、今日じゃないんかーい!笑
けど、予約してなかったから仕方ない。
こんなに頑張って相談したけど、仕方ない。
私「はい、予約します。」
・・・てことで、後日ふたたび来店。
今日担当する美容師です!と挨拶をしてくれたのは、前回と違う人だ。これまた、可愛くて顔が小さくて、キラキラオーラに包まれた美容師さん。
後ろにいるだけで吸い込まれそうだorz
私を見るなり第一声が、
美容師さん「こんにちは、今日どうしますか?」
・・・ええええ、うそだろ。うそだと言ってくれ。
引き継がれてないんかーーい!!
前回わざわざ来店してコンサルタント担当のお姉さんと英会話レッスンしたのに、あの内容どこいったんだーい!!
…だめだ、今日はだめだ。
前回ほど頑張って伝える気力がない。
そして、美容師さんが綺麗すぎて、緊張するし、だめだ。
もうだめだ。たみさん頑張れない。。
私「ブロンドになってるところをすこし暗くしてください。カットは、あなた(美容師さん)と同じの長さにしてください。」
何という、オーダー。もう、いいんです。
綺麗な美容師さんを見たら、こんな人になれればいいと思ったんです。
そして、オーラに圧倒され、自分の要望をきちんと伝える勇気を出せなかったんです。
だから、いいんです。それで。
施術が始まってからは、時間はあっという間に過ぎた。
隣の席の可愛いブロンドのお客さんの髪の毛がパープルになっていくのを横目に見たり、斜め後ろのお姉さんが納得いかず、店員さんに染め直してもらう一部始終を見たり、なんやかんやしていたら髪型が完成していた。
ジャジャン!!できましたー。
わぁ、悪くないじゃない!
カラーも満足だし、髪型も美容師さんとほぼ一緒でオーダー通り。
でも、なんだろう。
同じ髪型なのに、違う髪型に見える。
前髪が、前髪が、、、、目にかかる。
そうだ。私は顔が大きかったんだ。
美容師さんより10cm以上顔の幅が広いんだ。
前髪流すためのスペースに、私の目があるから仕方ないよね。
美容室で、1番やってはいけないことをやってしまった。
可愛い人の髪型を真似してはいけない。
絶対にだめ。髪型に可愛い補正がかかるから。
ありがとうの感謝を述べて、美容院を出た。
もう自分が施術してもらったことに満足してルンルンで、お家に帰った。
気分はもうロンドナー。
家に着いてすこし経ち、一種の興奮から解き放たれた時、なんで自分はあんな超絶オシャレ空間でのうのうと過ごすことができたのだろうと、ぞっとした。
あぁこんなにエネルギーを消耗するなら、しばらく美容院はいいや..と思ったアラサーたみさんだった。