クリスマス仕様のノートルダム大聖堂を満喫してきた。
パリに来たらいつも足を運んでしまうのが、「ノートルダム大聖堂」です。入場は無料なので、心ゆくまで何度でも足を運ぶことができます。
ノートルダム大聖堂と聞くと、私のような1980年代生まれの人間は真っ先に『ノートルダムの鐘』というディズニー映画を思い出してしまいます。映画の舞台は中世のパリ。空高くそびえ立つノートルダム大聖堂の鐘楼に暮らしている、外見は醜いが純粋でやさしいカジモドという鐘つき男の話です。
正直、幼い頃に観た時は、怖くて二度と観たくないトラウマになるような映画でしたが。。笑 その舞台になったノートルダム大聖堂についてお話ししましょう!
Contents
ノートルダム大聖堂は「パリのセーヌ河岸」として世界文化遺産に
パリのノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris) は、パリ・セーヌ川のシテ島に位置するローマ・カトリック教会の大聖堂です。「パリのセーヌ河岸」という名称で、周辺の文化遺産とともに1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。ゴシック建築を代表する建物であり、ノートルダムとはフランス語で「我らが貴婦人」すなわち聖母マリアを意味しています。現在でも、パリの大司教座聖堂として使用されていて、パリにとって大切な存在です。
営業時間
月~金曜:8:00~18:45
土・日曜:8:00~19:15
入場料
館内入場:無料
大聖堂の塔(屋上): 大人€10.0、18歳未満は無料
場所(地図)
住所:6 Parvis Notre-Dame – Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris, フランス
美しいノートルダム大聖堂の厳選おすすめポイント
こちらがノートルダム大聖堂の正面「ファサード(façade)」でございます。ドドドンと聳え立つ凹型の大聖堂はみなさまご存知の通りでしょう。
あまりの迫力に写真の枠からはみ出すくらい大きいです。なんと美しいものでしょう。
画面下部に映る多くの彫刻は、王冠をかぶったユダヤとイスラエルの王28名の彫像です。
それでは、見逃し厳禁のおすすめポイントをご紹介します!
異なる場面を表す3つのポルタイユ
背の高い聖堂正面は、様々な細かい彫刻があり、どこを見れば良いのやら(どこを観ても芸術そのもの)状態ですが、注目ポイントは地上にほど近い場所にある3つの入り口「ポルタイユ(正面)」です。それぞれが異なる場面を表しています。
中央のポルタイユはキリストの「最後の審判のポルタイユ(the Portal of the Last Judgement)」を表しています。
正面向かって左側は「聖母マリアのポルタイユ(the Portal of the Virgin)」で、右側はマリアの母「聖アンナのポルタイユ(the Portal of Saint Anne )」です。
それぞれの絵柄は三段に分けられており、下段は復活、中段は死者の天国と地獄への選別、最上段はキリストが審判を行うシーンが描かれています。
3つの薔薇窓のステンド・グラス
ノートルダム大聖堂には芸術的な薔薇窓のステンドグラスが3つあります。
一つ目は、外から見ても内から見ても印象的な南の薔薇窓のステンドグラスです。
南のステンドグラスは1260年に作られ、「天に坐った勝利のキリスト」を象徴しています。大聖堂の横道を通ると、南のステンドグラスを外側から見ることができ、その大きさに圧倒されるでしょう。内側から見れば、キリスト教の最高傑作とも言われる繊細なステンドグラスに魅了され、何十分間もの間魅力に引き込まれてしまいます。
なお、こちらは入り口から入って右側にあるステンドグラスです。
二つ目は、北の薔薇窓のステンドグラスです。北のステンドグラスの中心には、キリストの子を抱きしめて立ち上がるメアリーの姿を見ることができます。その周りを旧約聖書の王と預言者のイメージが描かれたもので囲っています。このステンドグラスは1250年に作られ、今現在も初めに作った時のオリジナルのグラスが多く残っていることがヨーロッパでは珍しいとされています。
北のステンドグラスは、南のステンドグラスのちょうど反対側に位置しています。入り口から入って左側にあるステンドグラスです。
このように、宝石のようにキラキラ輝く、ステンドグラスを見ることができるのです。心ゆくまでお楽しみください。
・・・おっと、危ない!美しい有名な2つのステンドグラスで満足して、忘れてしまいがちですが、もう一つ薔薇窓のステンドグラスがあります。
あと一つはどこにあるのよ!はい、お答えしましょう。
最後の西の薔薇窓のステンドグラスは、入り口のすぐ上のパイプオルガンの奥に隠されています。(隠してはないんだろうけど。笑)
必ず3つの薔薇窓のステンドグラスを目に焼き付けて帰ってくださいね!
最重要のおすすめポイントは以上ですが、他にも2つほど紹介します。
初期ゴシック建築の最高傑作
ノートルダム大聖堂は、初期ゴシック建築の最高傑作とされています。
ゴシック建築の特徴は、「尖頭アーチ」です。ノートルダム大聖堂のポルテイユも尖頭アーチになっていますね。建物のあらゆる部分にもそれが見られます。
ただ、ゴシック建築以外にも、ロマネスク様式のテイストを感じることができます。
長い年月をかけて建築された建物であり、時代の流れに沿って増築、襲撃と修復を繰り返しながら今の美しいノートルダム大聖堂となったのです。
パリ市街を睥睨するガーゴイル
パリ市内のお土産屋でよく見かける「悪魔のような生き物」は一体何!?と思ってる方もいるかと思いますが、それはノートルダム大聖堂の鐘塔の基部にいる「ガーゴイル(gargoyle)」です。大聖堂の塔に登ると近くから見れます。
ガーゴイルはフランス語のガルグイユ(gargouille)に由来しており、怪物などをかたどった彫刻で雨樋の機能をもつものを指すそうです。建物をぐるーんと一周すると建物から怪物の首がたくさん伸びていて不気味でしたが、あれは雨水を運ぶためのものだったと知ると納得ですね!
これらガーゴイルのほとんどはフランス革命の時に壊されてしまい、19世紀に修復して作られました。
ちなみに、彫刻のない雨樋はガーゴイルとは呼ばないそうです。奇妙な悪魔のような形をしている雨樋だけがガーゴイルなのです。まぁ、ガーゴイルという響き自体が怪しげな気がするのは私だけではないはず。
実は本来・・・写真で載せたようなノートルダム大聖堂の鐘塔基部でパリ市街を睥睨するように据えられた悪魔の像は雨樋の用を成しておらず「グロテスク」と呼ばれているそうです。グロテスクは、中世ヨーロッパの教会建築の装飾に見られる奇怪な生物の彫刻のことです。
私はお土産で守り神のような感じでガーゴイルの置物を買おうと思っていましたが、すっかり忘れてしまったことを後悔しています。笑
クリスマスの時期のノートルダム大聖堂を思いっきり楽しむために
最後に、クリスマスの時期だけ楽しめる「ノートルダム大聖堂のクリスマス」についてご紹介します。
ファサード前にある巨大ツリー
ノートルダム大聖堂の正面に到着すると、巨大ツリーがお出迎えしてくれます。
巨大な楠木に青と白の飾りが品良く飾られています。
この時期にしか見れない、特別なツリーと大聖堂のコラボレーションをお楽しみください。
作り込まれた本物のようなクレッシュ
大聖堂の中に入ると、左側の通路を進んでいくと「クレッシュ」が飾られています。そもそも、このクレッシュとはフランスの家庭でクリスマスの装飾品とされているキリストが誕生した場面を再現したものです。「キリスト生誕群像」とも呼ばれています。
このクレッシュは小さいミニチュアサイズなのですが、かなりクオリティが高かったです。本物に近い人形が、まるで生きているかのように動いています。流れている水さえも本物でした。
一見の価値があります。
目に飛び込んでくる巨大リース
大聖堂を入るとすぐに目に飛び込んでくるのが、この巨大リースです。
なんとも上品な飾り付けで、大聖堂の厳格な雰囲気をより重く美しく引き立たせます。写真では分かりませんが、実物はキラキラ輝いています。
クリスマス仕様のノートルダム大聖堂をお伝えするため、思い出のムービーを作成しました。
よろしければ、どうぞ。
〜おまけ〜
目安の到着時間
大聖堂を見学して、外に出ると(時刻11時半位?)大聖堂前にはものすごい人だかりができており、館内に入場するのに長蛇の列ができていました。
私が到着した時は9時前くらいでしたが、並ばずにスーイスイと入ることができたのですが・・・。冬のパリは、夏より空いているとはいえ、人混みを避けたい場合は、10時前には到着するくらいの意気込みで行ってくださいね。
ちなみに、内部を見学する際には、右側の「聖母マリアのポルタイユ」から入ります。ドキドキですね!
それでは、よい旅を・・・